words by Makoto Usoda
夜と朝の交差する時間、
新型ウィルスに侵された街の一角の、
某牛丼屋でおれは激しくいらだっていた。
聴きたい曲が流れねえ!
ぬるいポップスにはもう飽き飽きだ!
そもそも客が来るのがストレスだ!
もともと少ない労働意欲が完全に底をついた。
いらっしゃいませも満足に言えない。
店のことはどうでもいいが、おれのイライラが止まらない。
ギンギンでキンキンなズバッとくるダイナマイトな音楽が聴きたい!
プリーズ・ミスター・イギー・ポップ!
しかし、そこでおれははたと気付いた。
自分で有線のチャンネルをいじればいいのだ。
指先ひとつの大革命。
選ぶチャンネルはもちろんブルース!
ギンギンでギラギラなブルースが響く牛丼屋が誕生した。
最高だ。
おれ働く。
メイクマネー。
シャッフルのリズムに合わせて丼を洗う。
もう丼を叩き割る必要なんてないんだ。
後ろで何かが壊れまくるようなギターが、
真夏の性交のようにねっとりしたベースが、
煮え返る地獄の釜の蓋みたいなドラムが、
泥酔した男が垂れ流すよだれみたいなハープが、
鳴っているのだから。
イライラは気持ちいいほどすぅーーっと消えていった。
高校生の頃、こうやって音楽を聴いていたんだな。
あの頃も、今も、何も解決してはいないけど、
音の中に一瞬避難できるだけで、もうちょっとやれそうな気になる。
新型ウィルスに侵された街の一角の、
某牛丼屋でおれは激しくいらだっていた。
聴きたい曲が流れねえ!
ぬるいポップスにはもう飽き飽きだ!
そもそも客が来るのがストレスだ!
もともと少ない労働意欲が完全に底をついた。
いらっしゃいませも満足に言えない。
店のことはどうでもいいが、おれのイライラが止まらない。
ギンギンでキンキンなズバッとくるダイナマイトな音楽が聴きたい!
プリーズ・ミスター・イギー・ポップ!
しかし、そこでおれははたと気付いた。
自分で有線のチャンネルをいじればいいのだ。
指先ひとつの大革命。
選ぶチャンネルはもちろんブルース!
ギンギンでギラギラなブルースが響く牛丼屋が誕生した。
最高だ。
おれ働く。
メイクマネー。
シャッフルのリズムに合わせて丼を洗う。
もう丼を叩き割る必要なんてないんだ。
後ろで何かが壊れまくるようなギターが、
真夏の性交のようにねっとりしたベースが、
煮え返る地獄の釜の蓋みたいなドラムが、
泥酔した男が垂れ流すよだれみたいなハープが、
鳴っているのだから。
イライラは気持ちいいほどすぅーーっと消えていった。
高校生の頃、こうやって音楽を聴いていたんだな。
あの頃も、今も、何も解決してはいないけど、
音の中に一瞬避難できるだけで、もうちょっとやれそうな気になる。
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