武蔵野は夜の２時

起きたら腰が痛くてびっくりした。
前々からたまに痛いなとは思っていたのだが、
起きてまず痛みというのは嫌なものだ。

これは湯治であるな、と考えたおれは銭湯に向かった。
早くしないと閉まってしまう。
夜型人間にはそれなりの悩みがある。

銭湯に向かう道すがら、のれんを降ろした飲み屋を見て歩く。
おれもいつか昼間は仕事をして夜は飲める生活がしたい。
もちろん仕事は音楽だ。
帰りにどっかバーに寄って、マンハッタンで締めて、
若い女の子をちらちら見ながら家に帰って、彼女と眠る。
そんな生活を夢見つつ、残り時間を惜しんで
ジェットバスに腰をうずめた。

今日の銭湯は三鷹のさくら湯にしたのだが、
ここは湯加減はよいがジェットがゆるい。
こんなんじゃおれの凝り固まったハートはほぐれない。
もっとがんがん来いよな、と思いながらぬるめの湯につかり、
水風呂に沈み、
また湯につかり、くらくらになった。

湯上がりに飲み屋でビールを飲んでいたら、
リーダーから電話があった。
３０分話して、夏について想った。
解散する僕らだけど、できることはまだある。
未来はいつだって今の延長線上だ。
やるならやるで最後まで、いいライブにしたい。

一杯飲んでカラオケでギターの練習をしようと思ったのだけど、
もう店を出て道端で缶チューハイまで飲んでしまった。
もういいやとか缶チューハイ２本で言っていいんだろうか。
微妙な時間だ深夜２時。